言語・音楽は脳を育てる
ミュージシャンは認知症になりにくいそうです。
*感覚を複数並行使用する。
ピアノを弾いたり、ギターを弾いたり、
指先を器用に使いながら
音楽を表現することで
脳を幅広く使うことができるからです。
楽器を弾くということは
指先をの神経と
聴覚の神経を同時に使用します。
このように複数の感覚を同時に使うことで
脳を幅広く使うことになり
脳内ネットワークがより強化されます。
指をただ動かすだけ
音をただ聞くだけ
だとそれぞれの感覚しか使わないので
ほかの脳細胞はさぼっています。
*同時に使ったほうが楽
大きい冷蔵庫を一人で運ぶのは
かなりしんどいですが
3、4人で運べば楽なのと同様に
脳細胞も同時に使うようにすれば
一部の負担が軽減され
スムーズに記憶されます。
音楽の場合
体を動かしたり
「タッタッタータタ」みたいに口ずさんだり
しながら練習したほうが
上達は早いです。
これは、リズムを取るという作業を
体の筋肉に委ねたり
言語化して捉えたりすることで
様々な脳の部位を使ったり
神経回路を利用します。
おそらく、ミュージシャンは
無意識にこのような脳の使い方を実践し
勝手に脳のネットワークが鍛えられるのでしょう。
さらに、お客さんを集めて盛り上げるという
ミュージシャンの仕事を考えれば
お客さん(聴き手)とのコミュニケーションも
必須となりますので
ミュージシャンの脳の感覚はかなり幅広く使われることになります。
*イメージと言語とコミュニケーション
言語の勉強も認知力を高める活動です。
英語を覚える際に
単語の意味を調べて日本語に訳す。
というやり方だけでは
全然英語を話せるようになりません。
単語を見たらその単語をイメージできないと
覚えられないのです。
例えば、『tree = 木』とだけ覚えると
言語野しか働かないので
脳の使い方としてはあまり効率的ではありません。
会話のリアクションにも時間がかかってしまいます。
treeという単語を見たときに
形や匂いや音をイメージしたほうが
視覚、嗅覚、聴覚を並行して使いますので
覚えるのも、リアクションするのも
楽で、スピーディです。
言語の学習には”イメージ修行”が大事で
いかに多くの感覚を幅広く使うか
ということと
その言語のパターンを繰り返し学習することで
ネットワークを強化すること
”手続き記憶”という
いわゆる「体で覚える」という
より習慣化された記憶方法を利用することで
上達していくのです。
他には、楽しいといった感情だったり
褒美が手に入るなどドーパミンを刺激するなど
モチベーションとなる目的や環境があれば
なお継続して学習することができます。
語学学習が続かない理由は
単語を暗記したり
意味を訳したり
言語→言語という狭い脳の使い方しかできていなく
あまり楽しくない
単語やセンテンスのイメージがわかない
記憶効率が悪い
というのが主な理由です。
言語習得も
音楽と同じで幅広く脳を使い
同じ箇所の脳細胞負担を軽減し
記憶するきっかけを
様々な感覚に委ねれば
楽に楽しく身につきます。
さらに、コミュニケーションを付け足せば
もともと脳を幅広く使うコミュニケーション能力と
相性が良いので
さらに上達スピードが上がるわけです。
「いっそのこと海外に行ってしまえ!」
っていう人が一瞬で上達してしまうのは
必然的に外国語でのコミュニケーションを強いられますので
当然といえば当然です。
(ただし母国語の集団で過ごしていたら意味がありません)
これからは脳は幅広く使う時代なのかもしれません。
ありがとうございました。