腹筋との付き合い方
肋骨から恥骨にかけて伸びている
腹筋(腹直筋)は少し特殊な筋肉です。
それは、あれだけ大きい(長い)のに
骨による支えがないというところです。
腕や脚などを見れば分かりますが
大きい筋肉というのは、
骨に並行して付いています。(骨格筋)
これは骨格に対して筋肉が付いている証拠であり
当たり前といえば、当たり前ですが、
腹筋のすぐ裏は内臓ですので、
自らを支える骨がありません。
逆に内臓を支えてあげないといけない立場です。
ですので、腹筋は強度を増すために
腱画(けんかく)と呼ばれる組織が縦に一本(たては白線というらしい)
横に3~4本スジが入っていて、安定感を増すために
腹筋は6つに割れるのです。
ちなみに、途中に腱画が入っている筋肉を多腹筋といいます。
*腹筋は何のために使う筋肉なのか?
鍛えられた腹筋は隆々としていて
カッコイイ
と、筋トレ業界では
一番ポピュラーな”マッスルパーツ”の一つかと思いますが、
そもそも、腹筋は何のためにあるのか?
を考えてみました。
*腹筋とは、腰を曲げるもの
例えば、あなたがいきなりお腹を殴られたとしますね(汗)
そのとき「うっ」とお腹を丸めてしまうでしょう。
それが腹筋を使っている行動です。
腹筋は本来腰を曲げるたり伸ばしたりするときに
腰付近の広背筋と拮抗して(どちらかが伸びると、どちらかが縮む)
作用する役割があります。
運動時や椅子に座っているときには、
姿勢(フォーム)をブラさないようにするために
腰を固定する必要があります。
ですので、腹筋が弱ると
腰痛やギックリ腰になりやすくなるのです。
*腹筋が硬いは褒め言葉か
腹筋を鍛えている人のお腹を触って
カチカチに硬くなっている場合があります。
しかし、それは単に
乳酸などの疲労物質が溜まっているだけで
筋肉の質としてはあまり良くありません。
そもそも筋肉は柔軟性があり、可動域が広い方が
使い勝手がよく、パフォーマンスに優れていますので、
硬くなった腹筋はあまり良くありません。
筋トレをした直後はパンパンに硬くなるものですが
疲労物質を蓄積させないように
ストレッチやマッサージをしましょう。
*腹筋は曲げるだけでなく、伸ばすことも
腹筋の筋トレをするときに
たいていは、上体起こしによるトレーニングをします。
しかし、腹筋を縮めるだけでなく
伸ばすことも意識しなければなりません。
縮めることばかりに意識をしていると
腹筋の可動域があまり広がらず、
せっかく鍛えていても
あまり機能的ではありません。
腰痛が心配だと言って
体を反らすことをためらう人がいますが、
腹筋が縮まっているのが良くありません。
腰骨を立てて、姿勢良く座ると自然と腹筋は伸びて
体を支えるのに一躍担いますので、
腹筋はやみくもに鍛えるだけでなく
良く伸ばして柔らかい状態にしておくと
いいでしょう。
ありがとうございました。